ガッカリ。

NHK教育で紹介された「詩のボクシング」にはガッカリした。気恥ずかしくてほとんど見られなかった。

なんだあれ。素人の自作詩朗読大会じゃないか。

少年時代、私はボクサーになりたいと思っていた。しかし、ジャック・ロンドンの小説を読み、減量の死の苦しみと「食うべきか、勝つべきか」の二者択一を迫られたとき、食うべきだ、と思った。Hungry YoungmenはAngry Youngmenにはなれないと知ったのである。

そのかわり私は、詩人になった。そして、言葉で人を殴り倒すことを考えるべきだと思った。詩人にとって、言葉は凶器になることも出来るからである。私は言葉をジャックナイフのようにひらめかせて、人の胸の中をぐさりと人突きするくらいは朝めし前でなければならないな、と思った。

「ポケットに名言を」寺山修司

「対戦方式」という意味でボクシングを名乗るのはやめてくれないか。今の時点で、あの大会にとって「詩のボクシング」という言葉は、過剰にショッキングなキャッチコピーでしかない。



誰がやればいいのかなぁ。やっぱり福島泰樹かなぁ。いや、本当のところどんな人なのかあんまり知らないんだけど。