割愛した部分。

今日のNHK歌壇の文章で割愛した部分の福島泰樹に関する下書き。下書きっていうかメモ。

・朗読に込める感情。普通、短歌を感情たっぷりに読み上げられたりしたら、ひねくれている俺なんかは「はいはい、教養のある方は違いますね」と、生理的に嫌悪感を抱いてしまうのだが、彼の朗読は違う。愛に溢れている。血が通っている。

・高校生が詠んだ、
「黒板に書かれたことがすべてなら白いチョークをひとつください」
という短歌に感銘を受け、その高校生に会いに行ったエピソードも紹介していた。それ、大丈夫か。

・視聴者から送られてきた短歌を添削するコーナーもあったのだが、そこでも福島の短歌への情熱が炸裂する。素人が作った短歌にも、分け隔てのない愛情を注ぐ。容赦なく朱墨が走る。57577の韻律に縛られる必要はありませんよ!と言い放つ。彼はパンクだ。

・もう一人、女流歌人のゲストが居て、福島がその人の短歌を絶賛。「私、アメリカのリーディングイベントに呼ばれていまして。10万人くらいの聴衆が来るらしいんですが、そこで短歌を朗読するんです。実は、あなたの短歌を伝えて来ようと思っています!言葉の通じない彼等にもきっとこの言霊は届くと思います!」とか言ってた。女流歌人も照れるほどの熱気。それより10万人の前で短歌朗読ってすごい。短歌ウッドストックだ。どうかアメリカ人にもあの熱気が伝わりますように。言葉の壁を感じて絶望することがありませんように。

・どうもどこかで見たことのある顔だと思ったのだが、斉藤晴彦に似ていることから生まれるデジャヴだろうと考えて一度は胸の内にしまった。
でも、やっぱり気になって検索したところ、福島泰樹は「詩のボクシング」の人らしい。
そうか、ニュース23で見た事ある。この人だった。詩のボクシング、というあり得ないタイトルも、福島泰樹が言ったのなら俺は完全に受け入れられる。彼は言葉で人を殴り倒せると本気で信じている。誇張は無い。

追記 詩のボクシングって巻上公一とかも出てるのか。